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2008 年度 実績報告書

半導体レーザ励起超短パルスレーザを指向したネオジム添加新規バナデイト単結晶の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19550188
研究機関北海道大学

研究代表者

樋口 幹雄  北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40198990)

キーワード超短パルス固体レーザ / バナデイト単結晶 / ネオジムレーザ / 半導体レーザ励起 / 浮遊帯溶融法 / 発光帯の広域化
研究概要

本研究では、半導体レーザ(LD)励起が可能な超短パルスレーザシステムを構築するために、新規Ndドープ単結晶の浮遊帯溶融法による育成とその分光学的特性の調査をおこなった。Ca_9La(VO_4)_7およびCa_2La_<0.67>(VO_4)_2は、Nd^<3+>の入る可能性のある位置を複数有するとともに、Nd^<3+>に対して大きい陽イオン位置を提供できるため、発光帯がブロード化し、超短パルスレーザ発振が期待できる。酸素雰囲気では、両結晶とも溶融帯中に気泡が溜まり易く、安定した育成が困難であった。窒素雰囲気の場合、Nd : Ca_9La(VO_4)7結晶は気泡以外の散乱源のために白濁する一方、Nd : Ca_2La_<0.67>(VO_4)_2は黒く着色した。大気雰囲気では、酸素、窒素中での問題点を同時に解決でき、両者ともに比較的良質な部分をもつ単結晶が育成できた。しかしながら、偏光顕微鏡観察では小傾角粒界が観察され、両系とも光学的に均質な結晶を得るには至らなかった。Nd : Ca_9La(VO_4)_7の800nm帯の吸収係数は22cm^<-1>であるのに対し、Nd : Ca_2La_<0.67>(VO_4)_2は3.5cm^<-1>であり、半値幅はそれぞれ10nm、21nmと大きな値であった。Nd : Ca_9La(VO_4)_7の吸収断面積は1.44×10^<-19>cm^2となり、Nd : YAGの6.07×10^<-20>cm^2よりも大きな値となった。Nd : Ca_9La(VO_4)7は1060nm付近に半値幅17nmの、Nd : Ca_2La_<0.67>(VO_4)_2は1070nm付近に半値幅32nmのブロードな発光ピークが観測された。Yb : YAGは半値幅8nmで数百フェムト秒の超短パルス発振が実現されていることから、両結晶ともフェムト秒オーダーの超短パルス発振が期待できるが、吸収係数を考慮すると、Nd : Ca_9La(VO_4)_7の方がLD励起超短パルスレーザ材料として有望であると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 浮遊帯溶融珠によるNd : Ca_9La(VO_4)_7およびNd : Ca2La_<0.6>7(VO4)_2単結晶の育成とその分光学的性質2008

    • 著者名/発表者名
      佐野孝充、樋口幹雄、高橋順一、小川貴代、和田智之
    • 学会等名
      第38回結晶成長国内会議
    • 発表場所
      仙台市戦災復興記念館仙台市
    • 年月日
      2008-11-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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