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2008 年度 実績報告書

アスベストセメント廃棄物からのクリソタイルの抽出と無害化およびその有効活用

研究課題

研究課題/領域番号 19550193
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

橋本 忍  名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10242900)

キーワードアスベスト / クリソタイル / アモサイト / クロシドライト / 無害化 / 高周波磁器 / フォルステライト
研究概要

吹き付けアスベストの主成分であるクリソタイルに対して、塩酸処理による無害化を実施した。現在の無害化条件はJIS A 1481:2006で規定されており、アスベストのクリソタイルの含有量を0.1%以下にしなければならない。6モル濃度で、50℃の塩酸に72時間浸漬したクリソタイルは、この規定に基づいても完全に無害化することに成功した。そして無害化された後に残留する非晶質シリカの純度は98.7%であった。これに試薬の塩基性炭酸ママグネシウムを仮焼して得られた活性マグネシア(純度:99.7%)と混合し、その成形体を加熱することでフォルステライト(Mg_2SiO_4)試料体を得た。電気的特性の評価として、得られたフォルステライト試料体の品質係数および誘電率を測定した。大気中1400℃で加熱した相対密度が91%の試料体において、品質係数は49600の値をえた。一方、さらなる緻密化を目的としてPECS(パルス通電焼結)法による焼結を行った場合、1300℃の加熱で99.7%の相対密度の試料体を得たが、その場合の試料体の品質係数は34000程度であった。PECS法により1300℃よりも高い温度で加熱した場合には、100%に近い相対密度を保持したが品質係数は低下した。PECS法による還元雰囲気化の焼結では、還元雰囲気による内部の金属元素の析出が品質係数の低下をもたらしたと考えられる。誘電率は大樹雰囲気およびPECSを用いた場合でもおよそ6〜7の値で差はなかった。いずれにせよ、アスベストのクリソタイルを塩酸処理することで得られた非晶質シリカを出発原料として、高周波特性に優れるフォルステライトを作製することに成功した。その品質係数の値は市販のフォルステライト製品と同等、もしくはそれより優れている値であり、廃棄物の再利用としての新しい可能性を見出した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Detoxification of Asbestos-Cement Waste and Its Application to Cement Products (英文)2009

    • 著者名/発表者名
      Shinobu Hashimoto (Single)
    • 雑誌名

      Journal of the Technical Association of Refractories, Japan 29

      ページ: 5-10

  • [学会発表] クリソタイルの酸処理による無害化とそのエレクトロデバイスへの適用2008

    • 著者名/発表者名
      脇本大樹, 橋本忍, 仁科論子, 武田はやみ, 井上幸司, 岩本雄二
    • 学会等名
      日本セラミックス協会東海支部学術研究発表会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
    • 年月日
      2008-12-06
  • [学会発表] クリソタイルの塩酸処理による無害化2008

    • 著者名/発表者名
      仁科論子, 橋本忍, 脇本大樹, 武田はやみ, 本多沢雄, 岩本雄二, 奥田篤史
    • 学会等名
      日本セラミックス協会第21回秋季シンポジウム
    • 発表場所
      北九州
    • 年月日
      2008-09-17

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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