研究課題/領域番号 |
19550205
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平井 諒子 京都大学, 化学研究所, 助教 (20156623)
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研究分担者 |
堀井 文敬 京都大学, 化学研究所, 教授 (70124758)
辻 正樹 京都大学, 化学研究所, 准教授 (60172003)
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キーワード | 天然高分子 / ナノ材料 / 磁場配向 / セルロース / 構造制御 / 電子顕微鏡 / AFM / 固体高分解能NMR |
研究概要 |
持続可能な資源循環型社会をつくることは、21世紀の最重要課題の一つである。それを実現するために、環境および資源問題に対応できる天然高分子材料の有効利用が望まれる。本研究では、天然有機高分子であるセルロース、キチン、キトサン及び天然無機高分子であるイモゴライトよりナノサイズの構造体を作製し、磁場により構造を制御し、環境にやさしい新規材料を開発することを目的とする。 本年度は、下記のような結果を得た。 1.ホヤの外皮およびバクテリアセルロースを精製後、(1)60wt%硫酸で処理あるいは、(2)塩酸処理後、TEMPO触媒酸化することによりセルロースナノファイバーを作製した。 2.作製したセルロースナノファイバーの長さと幅を透過型電子顕微鏡法により、また、ナノフィバーの高さをAFMにより求め、サイズの分布及び平均のサイズを求めた。 3。結晶表面に導入された硫酸基によりセルロースナノファイバーの水懸濁液は、ある濃度以上で液晶を形成する。NaClなどの塩類を添加した場合の液晶構造および磁場配向挙動を調べた。 4.硫酸処理およびTEMPO触媒酸化して作製したセルロースナノファイバーの表面構造を,最近開発したプロトン-スピン拡散を利用した固体NMR法により解析した。典型的な結晶成分は、ナノファイバーの表面から約1nm以上のコア部分を構成している。また約5nm以内の表面近傍には、側鎖のCH_2OH基のコンホメーションや水素結合が結晶成分とは異なる、構造の乱れた成分が存在することを明らかにした。 5.今後、TEMPO触媒酸化して作製したホヤセルロースナノファイバーの水懸濁液の液晶構造及び磁場配向挙動を調べ、硫酸処理して得たナノファイバーの場合と比較検討する。また、キチン、キトサンおよびイモゴライトについても同様に研究を行う。
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