平成19年度はガラス状高分子としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)を用いて、延伸に伴う密度揺らぎの誘起される現象の観察を行った。具体的には 1)散乱法でその場観察可能な延伸装置の導入 2)散乱法による延伸過程中での密度揺らぎの時間変化の測定 を行った。 1)散乱法でその場観察可能な延伸装置の導入 散乱法でその場観察可能な延伸装置の導入を行った。具体的な装置としてはゴム用に作成された散乱法でその場観察可能な延伸装置をa)ガラス状高分子の高い応力に耐えられるまで延伸できる、b)圧縮の下でもその場観察が行える、様に改造した装置を導入した。 2)散乱法による延伸過程中での密度揺らぎの時間変化の測定 小角X線散乱法(SAXS)法により初期状態が明らかにされた様々な熱履歴を持ったサンプルを用いて、延伸過程中の密度揺らぎの測定を行った。その結果、急冷したものに比べてゆっくり冷却したものにおいては、初期状態の密度揺らぎが大きく、その延伸に伴う発展においても明確な界面構造が存在するかの様な密度揺らぎが生じることが確認された。
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