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2008 年度 実績報告書

キレート形成を利用した不活性飽和炭素-ヘテロ原子結合の触媒的官能基化

研究課題

研究課題/領域番号 19559002
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

河内 卓彌  慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (70396779)

キーワードルテニウム触媒 / 炭素-酸素結合切断 / 炭素-炭素結合形成 / エーテル / ピリジン誘導体 / キレート形成 / アリールホウ素化合物 / 反応機構
研究概要

本研究は、遷移金属触媒への配位可能な官能基と飽和炭素-ヘテロ元素結合を有する基質を用いて、キレート形成による安定化により飽和炭素-ヘテロ元素結合の酸化的付加を促進するとともに、新たな炭素-炭素結合の触媒的形成を目指すものである。
まず、配位可能な官能基としてピリジン環を有する2-(2-メトキシエチル)ピリジンを基質として用い、遷移金属触媒存在下でアリールボロン酸およびその誘導体との反応を試みた。遷移金属触媒としてはルテニウム錯体を用いた場合に目的としたメトキシ基がアリール基へと変換された生成物が観測された。カップリングに用いる有機金属試薬としては、アリールボロン酸もしくはボロキシンを用いた場合に生成物が最も多く確認された。また、各種ルテニウム触媒について検討したところ、[(ρ-cymene)RuCl_2]_2とリン配位子、とくにトリフェニル干すファイトを用いた時に最もよい収率で目的物が得られ、これらの組み合わせでは最高で収率は56%まで向上した。
本反応をNMRを用いて追跡したところ、2-ビニルピリジンの副生が見られた。この2-ビニルピリジンに対して、前述の反応条件でアリール化反応を行ってもアリール化はほとんど進行しなかったが、等量のメタノールを添加すると収率37%でアリール化生成物が得られた。この結果は、2-ビニルピリジンが反応中間体である可能性を示している。一方、ビニルピリジンを経由することのできない基質を用いて反応を行ったところ、わずかながら目的のアリール化生成物が確認された。よって、反応機構としてはビニルピリジンを経由する経路と経由しない経路の両方が考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Ruthenium-Catalyzed Amino- and Alkoxycarbonylations with Carbamoyl Chlorides and Alkyl Chloroformates via Aromatic C-H Bond Cleavage2009

    • 著者名/発表者名
      Takuya Kochi, Seiya Urano, Hajime Seki, Eiichiro Mizushima, Mitsuo Sato, Fumitoshi Kakiuchi
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 131

      ページ: 2792-2793

    • 査読あり
  • [学会発表] ルテニウム触媒による芳香族炭素-水素結合切断を経るアミド基およびエステル基の位置選択的導入法の開発2008

    • 著者名/発表者名
      河内卓彌, 浦野誠也, 関一, 佐藤光央, 垣内史敏
    • 学会等名
      第94回有機合成シンポジウム
    • 発表場所
      早稲田大学国際会議場 東京都新宿区
    • 年月日
      2008-11-07
  • [学会発表] Direct Introduction of Ester and Amide Functionalities via Ruthenium-Catalyzed C- H Bond Cleavage2008

    • 著者名/発表者名
      T. Kochi, S. Urano, H. Seki, E. Mizushima, M. Sato, F. Kakiuchi
    • 学会等名
      The 23rd International Conference on Organometallic Chemistry
    • 発表場所
      レンヌ大学レンヌ、フランス
    • 年月日
      2008-07-17

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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