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2007 年度 実績報告書

強磁性絶縁体・ハーフメタルを用いた高スピン偏極電流生成デバイスの理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19560013
研究機関関西大学

研究代表者

伊藤 博介  関西大学, システム理工学部, 准教授 (00293671)

キーワードスピンエレクトロニクス / 計算物理 / 磁性 / メゾスコピック系
研究概要

スピントロニクスの研究分野において,スピン偏極度の高い電流を作り出すことが最も重要な課題の一つとなっている。本研究の目的は,それを可能とする素子「スピン偏極電流生成デバイス」を開発することである。スピン偏極電流生成デバイスの材料として,本年度はダブルペロブスカイトLa2NiMnO6(強磁性絶縁体),ホイスラー合金Co2MnSi(ハーフメタル)に注目して研究を行った。電子状態とスピン依存伝導特性に関して得られた主な成果は以下の通りである。
1.ダブルペロブスカイトを用いた接合:La2NiMnO6の電子状態を第一原理計算により求め,Lee-Fisher公式を用いてトンネル接合のコンダクタンスを計算した。バンド・ギャップ中のフェルミ準位の位置がスピン偏極度にとって重要であること,また常磁性金属電極としてLaNio3を用いた場合に高スピン偏極電流が得られることが示された。
2.ホイスラー合金を用いたトンネル接合:第一原理計算を用いてCo2MnSiの電子状態を調べた。これにより,少数スピン電子の電子状態に見られるギャップ構造とクーロン相互作用の大きさとの関係を明らかにした。また,得られた電子状態をもとにトンネル・ハミルトニアン法を用いて,接合中の電流を計算した。ただし,スピン反転散乱の効果は現象論的に取り扱い,電流および磁気抵抗効果の温度依存性を調べた。この結果,接合の界面近傍に存在する磁性不純物等によるスピン反転散乱が,磁気抵抗効果減少の主要因の一つであることが明らかとなった。このことは,界面エンジニアリングによって,界面構造,界面電子状態を制御することで,磁気抵抗効果の温度による減少を改善できることを示唆している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Effects of spin-flip tunneling on temperature and voltage dependence of TMR2007

    • 著者名/発表者名
      I.Takada, J.Ozeki, H.Itoh, and J.Inoue
    • 雑誌名

      physica status solidi(b) 244

      ページ: 4452-4455

    • 査読あり
  • [学会発表] ホイスラー合金を用いた強磁性トンネル接合のTMRに対するスピン反転散乱の効果2007

    • 著者名/発表者名
      高田一朗, 井上順一郎, 伊藤博介
    • 学会等名
      第31回日本応用磁気学会学術講演会
    • 発表場所
      学習院大学
    • 年月日
      20070911-14
  • [学会発表] ホイスラー合金を用いたトンネル接合のTMRに対するスピン反転散乱の効果2007

    • 著者名/発表者名
      高田 一朗, 井上 順一郎, 伊藤 博介
    • 学会等名
      2007年秋季第68回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      北海道工業大学
    • 年月日
      2007-09-05
  • [学会発表] Effects of spin-flip tunneling on temperature and voltage dependence of TMR2007

    • 著者名/発表者名
      I.Takada, J.Ozeki, H.Itoh, and J.Inoue
    • 学会等名
      International Symposium on Advanced Magnetic Materials and Applications
    • 発表場所
      Jeju island(Korea)
    • 年月日
      2007-05-30
  • [学会発表] Electronic structure and spin-filter effect of spinel ferrites2007

    • 著者名/発表者名
      J.Ozeki, K.Ito, H.Itoh, and J.Inoue
    • 学会等名
      International Symposium on Advanced Magnetic Materials and Applications
    • 発表場所
      Jeju island(Korea)
    • 年月日
      2007-05-29

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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