イオン導電性ガラスで見られる交流イオン伝導度の振動数に対するベキ依存性は、ガラスが有する中距離構造と密接に関係していることを見出した。この結果は、多くの系で普遍的に見られるベキ指数には中距離でのポテンシャル壁のパターンの情報が含まれるという新しい解釈を与える。カルコゲナイド・アモルファス半導体で観測される光ドープ現象をフラジリティーの観点から考察し、Agのドープ量はGe-Sのフラジリティーが最小値をとる組成で最大となることを見出した。超イオン導電ガラスの非線形光学定数は他のガラス系のものと比べ異常に大きな値を示すことを見出した。その理由を結合論の観点から考察し、Agのd-電子が果たしている役割を明らかにすると共に、以前から主張している結合揺らぎに基づくイオン伝導機構は、光誘起現象においても本質的な役割を果たすことを明らかにした。
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