研究課題/領域番号 |
19560022
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
坂下 満男 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30225792)
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研究分担者 |
酒井 朗 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (20314031)
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キーワード | C-AFM / キャリアセパレーション / ゲート絶縁膜 / 構造ゆらぎ / ナノ領域 / 次世代半導体デバイス |
研究概要 |
半導体デバイスのゲート絶縁膜は従来用いられてきたシリコン酸化物から高誘電率(high-k)材料に置き換わりつつある。一般的にhigh-k材料は基板のシリコンと反応性が高く、さらに相分離し易いことから、組成、結晶構造、界面構造および膜厚等に"構造ゆらぎ"を生じ易い材料である。そのため、次世代半導体デバイスの安定性や信頼性の向上においてゲート絶縁膜の"構造ゆらぎ"の要因を解明することは必要不可欠である。"構造ゆらぎ"は局所的な電気伝導特性のゆらぎに反映されることから、局所的な電気伝導特性から"構造ゆらぎ"を評価することができる。また、その電気伝導に寄与するキャリアタイプ(電子および正孔)の同定によって、詳しい解析を行うことが可能となる。本研究の目的は電流検出型原子間力顕微鏡(C-AFM)にキャリアセパレーション法を適用し、ナノ領域におけるキャリアタイプ別極微少電流特性測定を可能とする評価技術を確立することである。そこで、本年度は本手法を実現するために必要な観察用試料の作製プロセスの確立を中心に進めた。作製した試料について、C-AFMによるキャリアセパレーション測定を行ったところ、C-AFM機構に使用されているレーザー光が試料表面に照射され、観察する電流値よりも5桁も大きな光励起電流が流れることが分かり、今後、光照射のないC-AFMの開発が重要となった。
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