| 研究概要 |
光渦は,ビーム面内において光軸を周回する方向に連続的に位相が変化して光軸を周回すると2mπ(m:整数)だけ変化するような位相分布によって発生し,光の新しい制御パラメータとして注目されている。本研究では光渦を有する光波(トポロジカル光波)生成のための自己組織化による秩序機構を導入したCGH設計法を新たに提案する。再生像の位相形状の連続性を相互作用源として考え,これを利用した自己組織化に基づいた反復フーリエ変換方式のCGH設計ソフトウェアを作成した。まず不必要なスペックルノイズを除去する機能を実装した。設計した位相型CGHからの再生像とその位相分布を調べたところ,ほぼ一定の強度と空間的に連続かっランダムな位相分布をもつ再生像が得られた。さらに再生強度パターンの依存性と回折効率に対する影響を調べた。次に必要な光渦を必要な位置に発生させる機能を実装した。これは再生像の拘束条件として連続するランダム位相にらせん位相を埋め込むことにより実現される。実際に得られた再生像では,らせん位相の大きさがある程度必要であり,ベースにあるランダム位相パターンとの相互作用により光渦の発生条件が異なることが明らかになった。実際のトポロジカル光波観察のためにデジタルホログラフィ光学系による光波測定システムを構築した。数値的な光波操作による位相補正機能を導入し,本計測システムにより光波の位相計測が十分行えることを確認した。また空間光変調器をこのシステムに組み込みCGHの再生系を実現した。さらに新たに間接型デジタルホログラフィ記録再生方式を考案した。この手法において参照光にランダムな位相分布がのっていても正確なホログラフィ記録再生が実現できることを示した。
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