・今期は、プロセスの細部を詰めるための研究を主体とした。 1. フォトレジストの現像が3次元の深い底面まで進まない問題に関しては、現像液を新しい液に交換して現像することを数回繰り返すことで、リンス効果が得られ改善された。今後液温管理、超音波バスによる攪拌制御等を試みる。 2. 導入したUVレーザの可干渉距離をマイケルソン干渉計で容易に測定できるよにした。コヒーレンス長をセンチメートルオーダーに改善するため、エタロンを共振器中に入れる構成に変更した。 3. 空気中から入射出来ないためプリズムカプラーを用いざるをえず、マッチング液にオイルは使えないので、屈折率のマッチングしない純水を用いて来たが、屈折率のマッチングするポリエチレン・グリコールが水溶性であるので現像液に影響しないことを見いだし、これに変更して行く。 ・2光束干渉の3重露光による3次元フォトニック結晶形成の理論に関しては、実際の光学系の構成を14種のブラベー格子毎に検討し、構成し易い光学系を探索した。 ・ピエゾ素子でピストン駆動される反射鏡を導入し、干渉計の一方の光路の位相を制御できるようにした。これにより、ダイヤモンド構造に加え、ウッドパイル構造も形成できるようになった。 ・4光束干渉法で作成できる格子定数の数を入射光の順列組み合わせから求めた。 ・OSA(米国光学会)主催のDigital Holography & Three-Dimensional Imagingに論文"All Fourteen Bravais Lattices Can Be Fabricated by Two-Beam Holographic Lithography を投稿し、"Oral発表に採択された(発表は2009年4月27日の予定)。
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