研究概要 |
1.材料・プロセスの改良:現像が深部まで進まない問題に対して、現像、リンス、エアーブローを、リンス後のレジストに白濁が無くなるまで繰り返す手法で進展を見た。 2.位相シフトによるダイヤモンド構造の3次元フォトニック結晶の形成:波長板の回転、ピエゾミラーの電圧駆動のいずれでも所望の位相シフトが得られることを確認した。{1,1,1}型面心立方格子の露光配置で、2光束干渉縞を露光した後、一方の干渉光をπ/2位相シフトして再露光し、さらに感光体を回転することを3回繰り返し、合計6回の露光を重畳することでダイヤモンド構造を形成できた。この手法でのダイヤモンドライク結晶の形成は世界初である。 3.2光束干渉の3回露光方式の理論および初期実験結果(菱面体構造結晶)を米国光学会のTopical Meeting on Digital Holographyで発表した。また、実効屈折率法を用いた干渉露光で形成した3次元フォトニック結晶の透過率解析をMicro Optics Conference '09で発表した。 4.結晶性を高めるための露光・現像方法の改良:コヒーレンスは若干短いがエタロンを入れたい状態のレーザーをハイパワーで使用することで、露光時間を0.1秒以下に短縮できた。これにより深部までの形成ができ結晶性が改善された。短時間露光は露光中の光路揺らぎの影響を受けにくくなり結晶性改善に効果があったと考えられる。 5.いくつかの格子構造に関しての実験的形成:今年度は{1,1,1}型面心立方格子の作製を通して露光・現像条件を探った。3回露光の各回で最適露光エネルギーが異なるとの知見を得た。 6.ゾル・ゲル法による材料置換:基本的な手法について検討し、必要なプロセス、準備するべき化学実験室等を把握した。
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