研究課題
本年度前半はハロゲン光源からの近赤外光の偏光の変化と反射光に含まれる情報の変化について調べるため偏光板の0.01度間隔で偏光板を回転するステッピングモータ駆動ステージロッドを試作した。また測定時の通電時間に対してハロゲン光源のスペクトルが変動しこれを抑える光源の空冷ファン制御システムも付与した。本年度最初の実験では、入射光の偏光を偏光子の回転角によって制御し、手皮膚の反射特性を測定した。皮膚からの反射光は、表皮の角質層、コラーゲン、メラニン、水分子、グルコースなどの偏光方向の選択によって特性が異なる事が分かった。角質層の反射やコラーゲンの散乱では偏光状態の変化は余り生じず、細胞液水分子では偏光の変化が大きいことが分かった。また非接触で皮膚の温度を測り、特定のスペクトルと関係があるが否か調べた。次に水溶液に溶解したグルコース、卵白(タンパク質)量を、その濃度が同定できるか否か調べた。グルコース、アルブミンは1500〜1600nm1450nm付近に吸収ピークを持ち検出され易いといわれているが、前者は濃度が0.1Wt%程度になると測定できなかった。水分子や水クラスター分子よる熱的移動や振動が測定値を変動させた。更に、細胞液の中に電解質、グルコースが溶かした水溶液で水クラスター分子の切断により電気双極子を増やす実験を行った。切断手段として超音波マイクロバブルを用いた。OH基発生の指標となる波長970nm、1300nmの吸収を観察してOH基の増加を確認した。水分子を切断して水クラスターが再構成される過程でグルコースがどのように働くかを調べた。水分子切断後の分光吸収の過渡特性では、変動が数分に渡り極めて遅く、分子量の大きいクラスター分子の運動と解釈された。卵白ではタンパク質が関与することが推定された。実験結果の一部は、2007OPTICS JAPANやソノケミストリーの国際会議で報告した。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
International Symposium On sonochemistry and Sonoprocessing (ISSS 2007, Kyoto) Abstract
ページ: 81
Optics & Photonics Japan 2007 in Osaka 講演予稿集
ページ: 316-317
ページ: 318-319