研究概要 |
熱機関の性能や製作技術は目覚しく進歩している一方で,エネルギー変換の理解の方法はカルノーの業績以来殆ど進歩していない。最近,熱音響現象を通じて熱機関の理解の方法に新展開が見られる。エネルギー変換を理解するための新しい概念が提案され,その成果として,ピストンのような可動部を持たない新しい熱機関(音の熱機関)が誕生している。特に,我々が提案した進行波音波型熱機関は本質的に可逆機関である。その後,各国から報告されている音波熱機関のほとんどが進行波型を利用している。 可動部を持たない「音の熱機関」が,日、米、中国を中心に数多く誕生している一方で,「エネルギー変換」の基礎研究は少ない。「音の熱機関」を理解するために提案された「エネルギー流束」測定を通じて,はじめて「エネルギー変換」が直接測定できたことになり,またエンジンの分類が可能になる。 上記研究目的をもって,また予定した「研究実施計画」に基づき研究を遂行し,下記のような研究成果を得ることができた。 1,「仕事流」を計測することによって,従来のStirling Engineが進行波型熱機関に分類することが実験的に明らかになった(国際会議および国内学会にて報告)。 2,パルス管engineの試作と分類が可能になった(国際会議にて報告)。 3,「熱流」の計測技術を確立した(国際会議で報告,および米国音響学会誌に投稿・出版)。 4,細管内(再生器)を伝播する振動流体の性質を明らかにした(英国王立協会誌に投稿、出版)。
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