アデノシン三リン酸(ATP)は、すべての生命体が保有するエネルギー源となる分子であり、ATPの検出が公衆衛生現場での細菌の微量検出などに利用されている。ATP検出感度を微生物一個体検出が可能なレベル(10-19mol)まで向上させるために、ATPの消費によって起こるルシフェリン分子の酸化反応で発生する光子を、単一光子検出可能な冷却型アバランシェフォトダイオードによって検出するシステムを構築した。今回のシステムでは10-15molの感度を達成し、10-16mol~10-17molに到達可能であることも分かった。しかし反応がピークに達するまでの立ち上がり時間が一桁から二桁長くなる現象が見られた。その原因はいまだに不明である。
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