研究課題
大電力長距離伝送用オーバーサイズ円形コルゲート導波管内の電磁波の伝搬モードの純度、モード比を知ることは、大型核融合装置におけるミリ波加熱装置や工業用の高周波加熱装置のトータルな効率改善に大きく寄与するものである。本研究は、測定可能である導波管端から放射された電磁波の強度分布(電磁波を照射するターゲット材の温度分布)のみを用いて、導波管内のモード成分分析を行うことができる画期的方法を提案、実証するものである。本年度は、本システムで重要なコンポネントである小型非冷却赤外線カメラを調達するとともに、ミリ波照射用ターゲット、ターゲット移動ステージなどの測定システムを整備した。またデータの解析法として、取得された赤外線イメージ像の数値処理法、温度分布として得られる電界の振幅データからその電磁波としての位相を再構成する方法の改良を行い、結果として得られた導波管端での位相データを用いて、コルゲート導波管内の基底モードにより展開することで、モード成分比を求める計算機コードを開発した(国内学会にて発表)。また得られた基底モード展開係数を用いて導波管内の電界を再現し、導波管内の電磁波の伝搬の様子を再現できることを示した。このような手法を用いることによってコルゲート導波管と結合されるべき電磁波の正確なアラインメントを精度良く行うことができるようになり、ミリ波をパワー源から高効率で長距離伝送できるようになった。このミリ波を核融合プラズマ過熱に適用し、有効な電子過熱を実現、1億度を超える電子温度を達成するとともに、さらなるプラズマパラメータの改善が図れた(国際会議にて発表)。
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Conference Abstracts of 34th European Phys.Soc.Conf.on Plasma Physics
ページ: 4-153
Conference Digest of 2007 Joint 32nd Int.Conf.IRMMW and Int.Conf.on 15th THz Electronics
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