研究課題/領域番号 |
19560055
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
佐々木 慎一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 教授 (80178649)
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研究分担者 |
俵 裕子 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 准教授 (30188453)
佐波 俊哉 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助教 (90321538)
齋藤 究 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助教 (40370077)
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キーワード | W値 / 電離効率 / 宇宙放射線計測 / 粒子線治療 / 放射線検出器 |
研究概要 |
W値は、測定電荷量と放射線の吸収エネルギーを直接結びつける最も基本的な物理量であるが、現在でも重荷電粒子(重イオン)に対する値をはじめとして、そのエネルギー依存性や線種(粒子)依存性についてほとんど知られていない状況にある。本研究では、試料気体として基本的かつ重要な希ガス、空気、組織等価ガス等の気体におけるW値を、加速器からのビームを用いて、エネルギー依存や圧力依存も含めた実験を行い、これらの機構解明のデータとして、また宇宙線量計測や粒子線治療等の実務分野に用いるデータとして提供し、蓄積することを目的としている。今年度は、放医研HIMACからのHe、C、N、Ar等の重イオンに対して組織等価ガスや空気を試料気体として測定を行った。エネルギーを1MeV/nから5MeV/nの範囲で変化させて測定した結果、He以外の重イオンに対してエネルギーが小さくなるほどW値が大きく変化するエネルギー依存性が観測され、イオンが大きくなるに従い、その程度は大きくなる傾向が認められた。得られた結果の一部を、米国ハワイで開催された国際会議(IEEE2007)で発表し、英文論文として公表した。また、活動状況をHIMAC共同研究報告書としてまとめた。エネルギー依存が比較的大きなエネルギー(1MeV/n以上)で観測されていることから、来年度は入射エネルギーを大きくして測定できるように準備している。
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