研究課題/領域番号 |
19560056
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
金子 晋久 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 室長 (30371032)
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研究分担者 |
浦野 千春 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (30356589)
大江 武彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (30443170)
桐生 昭吾 武蔵工業大学, 工学部・生体医工学科, 教授 (00356908)
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キーワード | 計測工学 / 標準 / 基礎物理定数 / 計測標準 |
研究概要 |
本研究では通常、h/e^2(25.812 807kΩ)の整数分の1の値しか発生できない整数量子化ホール抵抗を、集積技術と産総研独自のアイデアにより10kΩなどの扱いやすい抵抗値を発生させるためのデバイスを開発している。平成19年度に引き続き素子作製におけるプロセスの条件出しをおこない、評価用そしを完成させた。化合物半導体の集積回路であり、かつ標準の見地から見て、10^<-9>レベルの評価に耐えうる必要もあるという非常に困難な課題であった。完成した評価用素子は想定した初期の性能を十分に発揮した。その量子化ホール抵抗は国家標準と比較して、その差異は3.4×10^<-8>以下であることが分かった。またその非常に微小な差異は素子内の一部のコンタクト抵抗不良と基板の想定した2次元電子層以外のセカンドサブバンドなどによる「寄生」伝導に由来することを見出した。コンタクト不良に関しては、GaAs/AlGaAs基板との濡れ性、合金化の特性の高いAu/Ge/Niコンタクトを採用し、その最適なアニール温度時間が400℃×15秒程度であった。更に再現性を上げるため、合金組成および蒸着方法の最適化も行った。基板の「寄生」伝導に関しては、現在いくつかの基板メーカと結晶育成方法の最適化について議論しているところである。これらの成果を受け、今後、標準として利用できる集積量子化ホール素子の完成を2009年度中に行う予定である。以上の成果に関し、現在論文投稿中である。
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