最初の成果であるSparsePOPは、多項式最適化問題に対する半正定値計画緩和のソフトウェアである。このソフトウェアは、公開されたフリーソフトウェアであり、今回の研究の基本となるツールである。半正定値計画問題の生成に関して、効率性、安定性について十分に検討されており、この分野の有力なソフトウェアとして認知されている。その重要性は、今年度、論文がACM TOMSに掲載されたことからも明らかであろう。 つぎに、多項式計画問題に対する半正定値計画緩和に対して、内点法が数値的に不安定/不可思議な振る舞いを見せることを発見し、それに関して原因究明を行った。ここでは、必要な計算をするために、多倍長の計算を行わなくてはならないことを示した。この研究では、多倍長計算による半正定値計画のソルバー、SDPA-GMPが主導的な役割を果たした。結果はいくつか、内外の学会で発表し、また、論文は現在投稿中である。さらに次の段階として、「錐の面的削減」のテクニックを用いて、数値的に不安定な半正定値計画問題を安定な問題に帰着させることに関する研究を現在行っている。
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