研究概要 |
塩化ビニル製容器(400mm×300mm×高さ200mm)にランダム充填した粉粒体に対し,その表面の中心に球状飛翔体を衝突させ,クレーター形成の挙動を,二台の高速度ビデオカメラ(側面からと上方から)による撮影により,詳細に調べた.実験において飛翔体と粉粒体の密度の比,直径の比を変化させ,飛翔体が貫入する臨界角度(貫入臨界角度)およびクレーターの形状に与える影響を調べ,実験式の構築を行った.粉粒体として,プラスチック球(直径6mmで0.12g,0.25g,0.33g),ガラスビーズ(直径1.7mm)および3号ケイ砂を用い,飛翔体として,鋼球(直径6〜20mm)および直径11.1mmのアルミナセラミックス球,真鍮球を用いた.飛翔体と粉粒体の密度の比は最も重要な因子であり,貫入臨界角度に対し,密度比の0.5乗に比例した.直径比の影響はプラスチック球とガラスビーズを用いた結果とケイ砂を用いた結果で傾向が異なり,それぞれの実験結果を用いて実験式を構築した.傾向が異なる理由は不明であるが,特性のうち両者で主に違うのは,安息角もしくは形状係数であるため,それら関係していると思われるが今後さらなる検討が必要である. また,飛翔体の形状の影響を調べるため,同じ質量もしくは形状の飛翔体を用いた.球と同じ質量の円柱(先端が平面もしくは球形)と,中空した円柱を用いて調べた.その結果,貫入臨界角度に対しては飛翔体の先端形状(先端面積)に主に依存し,質量の影響の方が小さいことがわかった.またクレーターの形状は,円柱形の飛翔体の場合,中央丘型クレーターとなり,球形の場合と異なる結果であった.
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