研究課題/領域番号 |
19560094
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
野田 尚昭 九州工業大学, 工学部, 教授 (40172796)
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研究分担者 |
陳 克恭 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (20207327)
田島 清司 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (60155075)
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キーワード | 生体力学 / 破壊力学 / 有限要素法 / くさび状欠損 / ヒトの歯 |
研究概要 |
ヒトの歯の形状が複雑であることを考慮して、介在物角部に生じる特異応力場の強さを有限要素法で精度良く解析する方法を検討し、ヒトの歯に生じたくさび状欠損修復後の咬合による影響を考察した、結論は以下のようになる。 (1)まず、複雑なヒトの歯の形状を解析する前にくさび形状を菱形で近似補正して解析を行った。菱形介在物角部の特異応力場の強さを求めるにあたって、応力場の相似性を基にして、有限板中の特異応力場の強さをFEM解析結果より外挿して無限板中の値を求めた、その値を体積力法の厳密解と比べてFEM解析の誤差を修正した。 (2)FEM解析の値と体積力法の厳密解とを用いて有限板の厳密解を求める方法を確立した。また有限板の菱形介在物角部の特異応力場の強さをFEM解析により求めることを確認した。E_I/E_M<1の場合、体積力法の厳密解との誤差は約1%となり良好な結果を得た。またE_I/E_M<1の場合、誤差は約8%程度となった。 (3)歯に作用する荷重を位置と方向を変化させて、くさび状欠損修復後の特異応力の強さを調べた結果、E_I/E_M>1の場合歯軸と平行な荷重が安全で、歯軸に垂直な荷重が危険であることがわかった、よって。咬合を調節して、咬合力の向きを歯軸に平行な方向に調節すれば、修復したくさび状欠損の耐久性が上がると考えられる。これは、くさび状欠損修復前と比べて変化が生じた。 (4)くさび状欠損修復前とくさび状欠損修復後のものとを比較すると、危険な荷重の向きは変わらなかった。
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