研究概要 |
新たな結合度U^<**>は従来当室で開発したU^*と同様に,負荷点とある任意の点との結合の強さを表す量である.回転自由に支持された構造物では剛体回転を許容することになり,計算が不可能となる点を解決するため,局所固定法ならびにU^*/U^<**>ハイブリッド法を提案した. 一方,通常の汎用有限要素法は変位法を用いているため,各点を固定するという変位に関する条件を何十万節点にわたり繰り返すことになるので,通常のコンピュータで,実に何年も計算に要することとなり,現実的とは言えない.そこで本研究においては内部撓み性なる概念を導入してU^<**>の別の定式化により定義をし直した.これにU^*で開発した検査荷重法を適用し,計算を高速化することを試みたこの手法により約100倍の高速計算が可能となった.同時に,汎用有限要素法ソフトNastranにDMAPを用いてU^<**>の解析機能を付与することにより,更に約4倍の高速化を実現することができた. これまでU^*に関して,負荷点からの荷重伝達と支持点かの荷重伝達の両方が重要であることを以前から指摘してきた.両者のU^*の和をとることによってU^*plusを定義した.この値が1より小さい箇所は剛性の不足部分を示し,逆に1より大きい時には剛性が過大であることを表しており,構造物の剛性バランスを表現することができる.これを自動車車体等に適用し現実の構造物における剛性バランスを個別に示すことができた.
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