研究概要 |
平成19年度の目標としてTモード,Lモード管波用電磁超音波センサを同時に組み込んだ超音波非破壊検査ロボットを試作し基本性能を評価する事,及び電磁超音波センサによる高調波成分検出の基本テスト及び寿命予測の可能性を試験することとした。 この目的に対し,Tモード,Lモード用電磁超音波センサについては,センサを構成する電磁石形状,センサコイル形状を適切化することにより,従来センサに対してTモード管波とLモード管波の分離率を4倍向上させることができた。またこのセンサを組み込んだ超音波非破壊検査ロボットを試作し,非破壊検査に用いるにはまだ十分なS/Nが有るとは言えないが,組み込んだ状態で静止状態,移動状態の受信信号確認を行うことが出来た。 また別途板状の異なった余寿命を持つ複数の疲労試験片を製作し,これらの試験片を用いて,別途板波用電磁超音波センサを用いた受信信号の高調波成分の検出実験を行った。その結果,受信信号強度が変化しない比較的余寿命が充分ある段階(100%〜90%)で高調波成分が増加する現象を確認した。またこの高調波成分は,余寿命に対して最大値(余寿命=7%)があり,余寿命が少なくなっていくと逆に高調波成分は小さくなることが確認できた。 平成20年度は,これらの結果を踏まえて,新たな名疲労試験片の製作も含めた管波用電磁超音波センサの高感度化及び超音波検査ロボットとしての検出能確認,高調波成分検出による余寿命評価の定量化を進めていく。
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