研究課題
平成20年度はTモード、Lモード管波用電磁超音波センサを同時に組み込んだ超音波非破壊検査ロボットを高性能化すると共に検出能確認、高調波成分検出による余寿命評価の定量化を進めた。まず超音波非破壊検査ロボットの高性能化については、昨年度迄の研究結果で感度不足であったTモード用電磁超音波センサについて、電磁超音波センサを構成する電磁石の形状を見直すことにより磁化力を2倍にすることができた。また同じくセンサコイルの形状を正方形状にし、独立に2個配置することで、電磁石の磁化力を最大限利用できる構造とした。その結果、超音波受信信号強度を3倍増加させることができ、欠陥の定量的評価が可能になった。次に欠陥評価試験結果の結果、Tモード管波とLモード管波を単独で使用して検査した場合、欠陥の種類がわからず、したがって欠陥の大きさも判定できないという結果になった。逆に非破壊検査ロボット化で初めて可能になった移動測定により評価できる疵信号の距離減衰係数が両モード及び欠陥の種類により大きく異なる事が確認できた。そこで両モード組み合わせ使用により複数・複種類の疵からの反射超音波信号大きさ・距離減衰係数の相関図を作成し、各種疵の種類と大きさを判定するロジックを提案することができた。また、このように充分な信号強度が得られるようになった結果、微小傷に対して、信号強度のふらつきが大きく、非線形評価指数の安定的な評価につながっていなかったが昨年度までの結果に対して、信号強度が充分安定し、非線形評価指数の信頼度が向上した。その結果、特定回数の繰り返し応力を加えた疲労試験片で、顕著な非線形評価指数の増加が検出された。今後は、繰り返し応力を加えた試験パイプによる評価を実施することで開発ロボットの有効性が更に証明できると期待できる。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)
Jpn. J. Appl. Phys. Ultrasonic Electronics (掲載確定)
Journal of Solid Mechanics and Materials Engineering Special Issue on Advanced Technology of Experimental Mechanics 2
ページ: 437-444