研究概要 |
鉗子形状の創成自由度の向上に関する平成20年度の研究成果は下記のとおりである. (1)新たな加工システムの設計・製作・検証:平成19年度の成果である(1)新加工システムの提案,及び(2)成形に関する基礎実験((1)システムの機能に関する基礎的実験,(2)パイロットピンの機能検証)に基づき,詳細な検討を行った. 鉗子の鰐口部品について,「標準化した駒交換方式順送金型成形」における製品精度を実験的に調べ,総合的に約50μm程度の精度を確保できることを確認した.精度は個別の各駒,及び金型全体の製作精度に依存するが,本研究で用いた金型の精度を考慮するときこれは妥当値であり,且つ鉗子を組上げ際に特に支障とならない値であることを確認した.ここでは,鰐口にギザ歯が[有/無]の場合の成形を試みたが特に問題は生じなかった (2)部品の多種少量生産を広く行うためには金型の小型化が欠かせない.この目的に対し,上記加工システムの駒数を減じる「繰返し順送成形法」を提案し,実験的に検討した.この結果,半完成ストリップの少数駒順送成形をくり返すことで多数駒順送成形と同じ効果が得られることを確認した. さらに,工具押し込みやその他の微細な調整で成形形状を適切に調整することに関しては平成21年度の検討事項とした.
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