研究概要 |
平成19年度,及び平成20年度に得られた基礎的成果と新たな「繰り返し順送」方式の提案成果を踏まえ,平成21年度の研究では以下のことを明らかにした. 1.多工程の一元化:繰り返し順送加工においては,工程数削減,さらに成形自由度の高度化が位置決めの高精度化と工具交換で実現できることを明らかにした.そこで,一層の工程数削減を図るため単工程で関鉗子を成形する手法を開発した.本法は一つの型内で鉗子となる部分の的要抜き,鉗子成形,切り落とし,型からの排出を単工程で行うものである.型上下方向に工程が進行するため,1回の金型加圧操作で成形を完了する.この場合も,工具交換で成形の自由度を確保できる. 2.パイロットピンの位置決め精度:本工法の要はパイロッテピンによる位置決めにあることから,平成19年度の研究で不明であったピン穴位置の精度確保について更に詳細な研究を行った.FEM解析結果をも併せ検討し,ピン穴近傍の打抜きで素材の塑性流動が書きじ,この結果,条件により0.1μmから数μmの位置ずれが発生することと,これを抑制するための加工条件を明らかにした.さらにこの材料流動は製品精度に影響することを明らかにした. 3.この工法では打抜きが多用され,工具管理が重要となる.特に上記結果1のように,機構上,薄刃状工具の使用が必要となる場合は工具摩耗が重要である.こうした観点から微細圧痕を材料に設け潤滑性能向上を図るミクロプール効果について基礎から検討した.
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