研究概要 |
近年,プリント基板業界向け工作機械メーカ各社が超高速回転エアスピンドル(回転数16万rpm以上)を搭載し,さらに超高加速減速送り軸性能(加速度1.5G以上)を具備した工作機械を開発して市場に投入している.しかしながら,これらの工作機械の性能を十分に生かすCAMシステム技術に関する研究は十分になされていない.そこで本研究では,次世代の超高速プリント基板穴あけ用工作機械を中心とした生産技術・新しいCAMシステムの構築を目指すものである.本年度は,極小径ドリル(工具直径0.2mm以下)において,深穴(貫通プリント基板厚さ/ドリル直径=8以上)加工を対象に取り組んだ.特にステップドリルサイクルに着目して,ドリルが加工材と接触している区間以外は早送り動作を行う高速ステップドリルサイクルを提案した.サブミリオーダのストロークでZ軸送りの高速上下運動の繰り返しが必要で,当該軸の送りモータに大きな負荷が加わることが判明したため,Z軸送りモータの容量を考慮して早送り動作の組合せを導出する手法を提案した.その結果,本手法を用いることで,極小径ドリル加工においても高い加工能率を維持しながら,十分な品質が確保できることが判明した.
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