研究概要 |
プリント基板業界向け工作機械メーカ各社が,16万rpm以上の超高速回転エアスピンドルを搭載し1.5G以上の超高加速減速送り軸性能を具備した最新鋭の工作機械を開発している.しかしながら,これらの工作機械の性能を十分に生かすCAMシステム技術に関する研究は殆どなされていない.そこで本研究では,これら最新の超高速プリント基板マイクロドリル穴あけ用工作機械を中心とした生産技術・新しいCAMシステムの構築を目指すものである.プリント基板上に配置される回路接続用の穴の配置は,(1)ランダム穴配置(回路設計において立体配線により決まるもの)(2)格子状穴配置(LSI部品などが実装される箇所に規則正しく配置されるもの)に大別される.プリント基板用CAMにおいては与えられた品質確保の制約条件下において,穴あけ順およびドリル加工時の送り速度の決定法が最重要な課題である.前者の場合,送り軸加速度の向上と時間問題TSP(加速減速時間も考慮して最短時間問題として定式化する手法)による穴あけ順の決定を組み合わせる手法が有効であることがわかった.後者の様に多数の穴が格子状に配置されている場合,時間問題TSPでは最適な穴あけ順が決定できない.そこで加工時の穴周辺の温度を一定化する基準を設けることで,最適な穴あけ順を決定する手法が有効であることがわかった.そこで以上の手法を統合システム化して,プリント基板穴あけ用CAD/CAMまたは工作機械CNC固定サイクル機能として実装することで,新しいプリント基板製造システムの構築ができることを示した.
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