研究課題/領域番号 |
19560129
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
島田 尚一 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20029317)
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研究分担者 |
樋口 誠宏 関西大学, 工学部, 教授 (50067732)
田中 宏明 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (60330156)
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キーワード | 機械工作・生産加工 / 超精密切削加工 / ダイヤモンド工具 / 長寿命化 |
研究概要 |
本研究は、ダイヤモンド切削工具の寿命を決定する損傷発生機構を解明し、その結果にもとづき、銅、Ni-P、さらに、高機能光学素子の型材として理想的な鉄系金属の超精密切削加工におけるダイヤモンド工具の長寿命化を実現するための技術を提案、開発することを目的としており、主な成果は以下の通りである。 1. 第一原理計算にもとづき、Fe、Ni、Alの切削におけるダイヤモンド工具の損傷機構を解析し、Fe、Niではダイヤモンド表面炭素原子のバックボンドの電子が表面炭素原子と被削材側に移動し、結合が弱くなって脱離すること、Alではバックボンドの強度低下がはるかに小さく、工具-被削材界面でアルミ炭化物を形成することを明らかにした。 2. 一方、NiにPを入れたNi-Pの加工においては、炭素よりイオン化エネルギの小さいPが出す電子がダイヤモンドのバックボンドに電子を供給し、その結合強度の低下を抑制することを明らかにした。この結果は、同様に電子を出す元素を被削材またはダイヤモンドに添加すれば、工具損耗を抑制できる可能性があることを示唆している。 3. 天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドを比較すると、天然の方が窒素不純物が多く損耗速度は大きいが、B2センターと呼ばれる欠陥が多いものは耐チッピング性が高く、銅の切削において工具寿命が長いことを明らかにした。
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