研究概要 |
これからのメンテナンス技術には、「予知保全」の次の段階である「原因除去型保全」が必要不可欠である。本研究では、これまでの研究成果を発展させ、メンテナンス時期を適切に判定できる、色相判別法による安価で簡易的な、オンサイト潤滑油劣化診断法の開発を目指す。平成19年度は、潤滑油汚染物の色と劣化度との関係を見出すことを目標とした。 1.実験室レベルの強制酸化劣化油の作製(本田) CuとFeの触媒を入れ、空気を10l/h導入しながら、165℃で一定時間(3時間毎)保持して劣化させた試料油(劣化履歴の明確な酸化劣化油)を作製した。 2.潤滑油汚染物の色と全酸価、動粘度、FT-IRデータとの関係(本田・大学院生) 自動滴定装置、デジタル粘度計により劣化時間毎の全酸価と動粘度を測定した。また、現有設備のFT-IR分析により、酸化生成物の構造解析を、申請設備である紫外/可視分光光度計により潤滑油の透過率と色の測定を行った。その後、メンブランフィルタにて濾過した潤滑油汚染物の色をRGB各色256階調で表現し、汚染物の色と試料油の物理化学的性質との関係を詳細に調査した。 3.潤滑油のASTM色および色相と全酸価、動粘度、FT-IRデータとの関係(本田・大学院生) 2で測定した試料油の性状と試料油自体のASTM色および色相を比較し、それらの関係を調べた。 4.潤滑油汚染物の色と潤滑油のASTM色および色相との関係(本田・岩井) 2,3で得られた汚染物の色と試料油自体のASTM色および色相を比較し、それらの関係を調べた。 5.関連研究の調査(本田) 平成19年度に開催された学会を中心に研究動向について調査した。
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