研究課題
本研究は、ニアドライ加工の代表であるMQL加工について、合成系エステル油剤等の潤滑剤や潤滑剤そのものの処理方法も対象にしてトライボロジー挙動を調べ、それらの結果をアルミニウム合金や難削材の切削性能と関連づけて検討することで、MQL加工の最適化と応用範囲の拡大につなげ、ニアドライ加工技術の高性能化に貢献することを目的としている。本年度に得られた研究成果は以下のとおりである。1.合成エステルや比較対象となる各種油剤のトライボロジー特性評価平成19年度に得た評価条件等にもとづき、合成系エステルと比較対象となる各種油剤をアルミニウム合金の摩擦に適用して基礎的トライポロジー特性を検討した。2.実用MQL加工試験による切削性能の評価アルミニウム合金のエンドミル加工を行い、工具への凝着状態の判定から、油剤としては潤滑性と粘度に関係する浸入性の両者に優れる必要があることを究明した。難削材のニアドライ加工については、ステンレス鋼を対象にエンドミル加工を行い、エステル油剤ミストのみを供給する通常のMQL加工ではなく、さらに水溶性切削油のミストを同一ノズルから供給できる複合ミストを用いる方法が、工具寿命の延長の観点から有望なことを見出した。3.マイクロバブル処理油剤の安定化と油剤性能の検討マイクロバブル処理を用いた目的物質の安定なエステル油剤中への微分散技術を確立し、その方法の実用化につなげるためのマイクロバブル微分散装置を試作した。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)
Key Engineering Materials 407-408
ページ: 329-332
Proceedings of 41st CIRP Conference on Manufacturing Systems (26-28 May 2008, Tokyo)
ページ: 377-380