• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

小径玉軸受の電食に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 19560149
研究機関東京理科大学

研究代表者

野口 昭治  東京理科大学, 理工学部, 准教授 (80349836)

キーワード玉軸受 / 電食 / 電流密度 / 軸受損傷
研究概要

摩擦面間に通電を行うと摩擦特性が向上したり,摩擦係数を制御できる等の研究は既に報告されているが,転がり軸受に電流が流れると電食が発生し,損傷してしまう.したがって,転がり軸受内部に電流を流すことは,複写機の転写ローラ用軸受等導電性グリースを封入した一部の軸受を除いては厳禁とされてきた.しかし,最近ではインバータからの高周波ノイズ等が原因で電食が発生する例も見られるようになってきた.意図せず軸受内を電流が流れる事態が起こる可能性が高くなっており,直流・交流における小型玉軸受の厳密な電食発生条件の確立が求められている.
転がり軸受の電食については,鉄道車両電動機用軸受を中心に研究が進められており,電食発生の目安も明らかにされている.しかし,これまでの研究は鉄道車両用の中型軸受で行われており,家電品や小型モータに使われるような小型玉軸受を対象とした研究は,ほとんどない.また,研究が盛んに行われた時期が1960年代であり,測定機や分析機器が現在ほど精密ではなく,電食発生の検出感度も十分ではなかったと考えられる.そこで本研究では,小径玉軸受を対象にして,電流密度を細かく設定した直流電圧印加における回転試験を行ない,従来の電食発生の目安が適用できるかの検討を行った.
実験の結果,小径玉軸受の電食発生限界電流密度は,0.04A/mm^2程度であり,従来電食発生目安とされていた電流密度(1A/mm^2)よりも2桁小さな値であることが明らかとなった.電流値としては10mA以下であり,漏れ電流程度でも小径玉軸受に電食が発生する可能性があることを示唆できた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 小型玉軸受の電食に関する研究(第1報)2007

    • 著者名/発表者名
      野口昭治, 赤松洋孝, 是永 敦
    • 雑誌名

      トライボロジスト 52

      ページ: 622〜628

    • 査読あり
  • [学会発表] 小型玉軸受の電食発生限界電流密度に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      野口昭治、和知恭平
    • 学会等名
      (社)精密工学会2008年度春季大会学術講演会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2008-03-19
  • [学会発表] 小型玉軸受の直流通電時の電食に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      野口昭治, 和知恭平
    • 学会等名
      (社)日本機械学会第14期関東支部総会講演会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2008-03-14
  • [学会発表] 玉軸受の電食発生の限界直流電圧に関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      野口昭治、和知恭平
    • 学会等名
      (社)日本設計工学会 平成19年度秋季学術講演会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-29

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi