研究概要 |
1. 前年度に開発した三次元渦法による気泡プルームの解析 前年度は,微小な気泡が液中を分散して流れる気泡流を対象とした,三次元渦法の開発に成功した.液相流れを微小な渦要素で離散化し,各渦要素の挙動と気泡の運動をLagrange解析する方法である.その際,気相の質量と運動量は液相に比べ十分小さく無視し得るものと仮定し,相変化および気泡の合体・分裂もないものとする.気泡運動が液相流れに及ぼす影響は,循環の強度変化として考慮する.すなわち,渦度場を計算格子に分割し,各格子内において気泡による循環の時間変化を計算し,それを格子内の渦要素の強度変化として考慮する方法である. 本解法を気泡プルームの解析に適用した.微小な気泡をタンク底面から放出し,その上昇に伴って誘起される気液二相流である.本現象は,気泡噴流の一形態である.その結果,上昇気泡の周囲に様々な寸法をもつ大規模な渦が発生すること,水の上昇速度は自己相似となること,プルームの揺動の波長と振幅が実験結果と一致することなどが示された. 2. 並列計算システムの構築 上述の気泡プルームのシミュレーションに対する,並列計算システムを構築した.3台のパソコンを1台のハブを介して接続したシステムである. このシステムを利用した結果,同等の性能をもつパソコン1台のシミュレーションよりも,計算時間を約半分に低減でき,高速の高速化が達成された.
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