研究課題
本研究において最も基礎となるのは、乱流とそれによって輸送されるスカラー場の詳細な数値データである。このための大規模直接数値計算(DNS)をまず行った。速度場には外力を低波数側で加え、スカラー場には一様なスカラー勾配を印加して、統計的に定常なスカラー乱流場を世界最大規模である2048^3の空間格子点上で計算した。速度場及びスカラー場は散逸領域の小さな構造まで詳細に解像されている。高レイノルズ数において、運動エネルギーとスカラーのスペクトルに慣性領域が確認され、かつスカラーフラックスのスペクトルがE_<U^θ>〜k^<-7/3>となることを見出した。スペクトルのべきについては、これまで理論および実験でもはっきりとした結論は出ていなかったが、初めて信頼性のある解析結果を与えた。さらに、同一のレイノルズでかつ低解像度のDNSを行い、高解像度のそれと比較して散逸領域内にある有限の波数切断がどのように大きなスケールにおける攪乱に相当するのかを解析した。切断波数より高波数側からめ影響をランジュバン方程式としてモデル化できるかを、乱流統計理論と上記の大規模データから検討している。特に、乱流粘性とランダムカとの関連性を統計的観点から解析中である。また、場の散逸構造の特異多様体の衝突の観点から、量子乱流と通常乱流と比較を行い、スペクトルの振る舞いや減衰法則との関連をDNSを用いて解析した。
すべて 2008 2007
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Phys.Fluids, 19
ページ: 1217011-4
Proceedings of APCOM, Kyoto
ページ: MS9-1-11-12