研究概要 |
カオス制御の可能性を調査するため,クエット乱流の関連する特性を前年度に引き続き調査した.昨年開発した渦度プローブを用いた変動渦度・変動速度相関測定による縦渦維持機構の測定精度の検討を行った.渦度輸送方程式各項測定の結果,定性的な傾向は同じであるが定量的には異なる結果となったためその原因を調査した.その結果,熱線出力に現われるノイズと出力電圧の微小な変化が原因であることが判明した.ノイズの対策は完了したが後者の問題点は現在も未解決で対策を検討中である.次にクエット乱流中に現われる低速・高速ストリークの空間構造の調査を調査した.前年度は16チャンネル熱線流速計を用いて低解像度の解析により流路幅の30倍のスケールの空間揺らぎが確認されたが,さらに高解像度の特性を調べるため32チャンネル熱線流速計により調査を計画した.このためまず16チャンネル熱線流速計を新たに作成しその特性が研究目的に対し十分であることを確認した.また32チャンネルの熱線プローブを作成し現在その調整をしているところである.さらに32チャンネル熱線出力のデータ取り込みシステムの構築とデータ処理プログラム(ウェーブレット解析)を完成させたところである.当初予定であったカオス制御の調査はこれらクエット乱流の特性を解明した後,その知見をもとに行う計画である.
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