研究概要 |
陽イオン性界面悟性剤水溶液の抵抗低減流れに関して、これまでに内部流れであるチャ不ル乱流や円管乱流については数多くの研究が行われているが、外部流れである乱流境界層流れに関するものは極めて少ない。一方,環境負荷の小さい非イオン性界面活性剤水溶液の抵抗低減効果に関する研究は内部流れについても少なく、境界層流れについての研究は見当たらない。本研究では,非イオン性界面活性剤水溶液として、オレイルジメチルアミンオキシド(ODMAO)アルキルポリグリコシド(APG)を使用した。平成19年度においては、非イオン性界面活性剤水溶液の円管流および乱流境界層流れにおける抵抗低減効果について調べ、以下の結果を得た。 1.円管内乱流(管直径5mm)の抵抗低減効果(1)ODMAO500ppm水溶液(溶液温度25℃)において、最大抵抗低減率DR=70%を得た。(2)APG6000ppm水溶液(溶液温度35℃)において、最大抵抗低減率DR=75%を得た。 2.平板上乱流境界層流れにおけるLDV計測(1)ODMAO500ppm水溶液(溶液温度25℃)において、抵抗低減率DR=44%を得た。(2)APG6000ppm水溶液(溶液温度25℃)において、抵抗増加となった。(3)3種類の同程度の抵抗低減率(DR=45%)となる水溶液の主流方向乱れ強さ分布をそれぞれ比較することで、ピーク位置は抵抗低減率で整理できるが,ピーク値は抵抗低減率で整理できないことが分かった。 3.平板上乱流境界層流れにおけるPIV計測(1)水およびODMAO500ppm水溶液の変動速度ベクトルとイジェクションおよびスイープのコンターより、ODMAO500ppm水溶液の場合には水の場合と比較して、イジェクションおよびスイープのスケールが大きくなることを明らかにした。
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