本研究はノズル内液流の非定常特性が噴流の挙動に与える影響を解明することを目的に、微粒化促進の程度を表す分裂長さに関する基礎的研究を行った。また、液体噴流表面の乱れを解析して、ノズル内部の圧力変動との関連を検証した。 実験には、2次元ノズルを用い、ノズル内流れの非定常特性解析(写真撮影、圧力変動測定)をストロボスコープ(ナノパルスライト(閃光時間約75nsec))を用いて、液体噴流表面のミクロスケールの乱れ、特に表面から発生するヒモ状の乱れを撮影することに成功した。 ノズル寸法および内部の液体の乱れが、噴出後の液体の乱れ模様にどのように関連するかを解析し、ノズル内キャビテテーション領域の長さがノズル長さと同程度の場合に噴出後の液流の乱れが促進されることを実験的に明らかにし、他の研究者の数値シミュレーション結果と一致することを示した。 マクロスケールの乱れについては、従来どおり現有のデュアルデジタル光ファイバセンサーシステムを用いて、Lambert-Beerの法則に基づいて、液体噴流の液柱直径・液膜厚さの変動を測定し、その周波数分析を行い、ノズル内圧力変動を解析した研究代表者の既往の研究成果を利用して、キャビテーション気泡領域の低周波振動との関連を考察した。
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