研究概要 |
トンボの周りの流れ場を高速PIV,流体力計測システム,翅の移動解析技術を用いて実験的な解析を行なった.今回の実験により,前後の翅の位相差が小さい場合は,大きな上向きの力を,位相差が大きい場合は,前方への推進力が発生することが定量的に明らかになり,MAVを設計する上での指針が得られた. また,渦の強さと翅との距離によって流体力が変化することも定量的に確かめられた. 上記の結果に基づき,羽ばたき機構を製作し,羽ばたき機構によって作られる流れがトンボの羽ばたき運動によるものとほぼ同じになるように調整した.トンボとほぼ同様な流れを作った場合,発生する流体力がトンボのものと一致することも確認した. トンボの羽ばたき運動をリンクやギヤなどを極力すくなくした機構で実現するため,翅取り付け部の摩擦を利用した機構を開発した.機体の軽量化を図るため,マイクロ加工によるクロム蒸着,チタンやアルミの微細加工による軽量の人工翅の開発を行った.羽ばたき試験の結果,トンボに比べると翅の剛性がやや劣るが,軽量な翅の設計するための指針が得られた.
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