研究概要 |
本研究は,爆風が非一様複雑構造媒体の非定常抵抗,幾何学的構造と空隙率の影響による圧力減衰と緩和過程の基本的特徴を調べる事である.爆風・衝撃気流が非一様媒体(空隙率約98%の高空隙率ポリウレタンフォームを過ぎる爆風の過剰圧力減衰過程と爆風環境の緩和効果を調べる為,ポリウレタンフォーム内中心に設置したアジ化銀ペレットにレーザを照射して起爆する.但し,爆風過剰圧と圧力の時間変動計測にはピエゾ圧電型圧力変換器を爆薬と同軸に対面配置する.得られた圧力波形から最大過剰圧ΔP,インパルスI,換算距離Z,等を求め,TNTの爆発によって発生する爆風と比較を行うことで,以下の結果を得た.(1)Foam30,Foam35における第一波の圧力波形の立ち上がりは爆風の圧力波形からFoam50に比べ緩やかであった.これはフォームの構造による非定常抵抗力が大きいことを示している.(2)フォーム中の爆風の伝播は,空気中と同様に圧縮波によって圧力が上昇し,膨張波によって減圧していき,負圧を伴っている.(3)Free airと各フォームの最大過剰圧の比は換算距離0.9<Z<1.6[m/kg_<1/3>]の範囲において,Foam30では約93〜95%,Foam35では約96〜97%,Foam50では約92〜94%となった.(4)Foam30は他のフォームと比べてインパルス値が高く,Foam35,Foam50のインパルス値はそれぞれFoam30の約70.2〜85.8%,約72.6〜92.6%となった.(5)Foam35は他のフォームに比べて最大過剰圧が低く,圧力の立ち上がりが緩やかで,インパルス値も低い値であっため,最も減圧効果が高かった.
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