研究概要 |
本研究は、有毒ガスをその発生している局所において完全に捕集するための新しいプッシュプル方式を開発することを目的とている。中林と服部は現有の実験装置を用い,プッシュプル局排装置の吹き出し口から噴出する2次元乱流噴流の流れ構造を明らかにするため、主流方向(X方向)及び縦方向成分(Y方向)の平均速度と変動速度成分をX型熱線プローブの熱線風速計で測定した。また、吸い込み流量を変化させ、XとY方向の各平均速度分布と乱れの実効値分布の下流方向への変化を調べ、吸い込み流量の変化が流れ構造に与える影響について考察した。その結果、次の結論が得られた。噴出し口に近い領域では、吸い込み流量による変化の影響が現れず、XおよびY方向の速度分布形は静止空中への二次元噴流の場合とほぼ同じである。しかし、噴出し口と吸い込み口の中間よりも吸い込み口に近い領域では、吸い込み流量の変化による影響が現れるが、速度分布の形状は半値幅の内側では、ガウス分布に一致し、外側ではガウス分布よりも上方に離れ、流量比が小さい方が上方への離れ方が大きい。乱れの実効値は、静止空中への二次元噴流の場合と比較して、かなり大きな相違が見られる。速度分布の最大値は、Goldschmidtらの結果よりかなり大きい。これについての詳細は、日本機械学会流体工学部門講演会講演論文集(2007.11.17-18,東広島)p.317を参照していただきたい。 一方、森は二次元噴流の下方から上向きに噴出するジェットが噴流に衝突する領域における複雑乱流について現有の実験装置を用いて、熱線風速計で測定したが、十分な結果が得られなかった。今後、継続して実験していくことにしたいと考えている。
|