研究概要 |
本研究は、有毒ガスをその発生局所において完全に捕集するための新しいプッシュプル方式を開発するため、この流れ構造を明らかにすることを目的にしている。現有のプッシュプル実験装置を改善し,吹き出しノズルと吸い込みフード間の距離を種種変化させ、漏れ限界流量比を流れの可視化法を用いて求め、これまでに発表されている林らの結果と比較検討した。その結果、ノズルにフランジを付けない方が漏れ限界流量比は小さくなり局排装置としての性能が向上する。次に、プッシュプル噴流の主流方向の速度分布を熱線風速計で測定し、吹き出し・吸い込み間距離の影響を考察した。噴流の最大速度の下流方向への変化は、吸い込み口に近づくと、速度の分布がその中央部がとんがっていくため、最大速度が、従来明らかになっている静止空気中への二次元噴流の場合から吸い込み口に向かって増大していくとが明らかになった。これらの結果は平成21年3月の機械学会九州支部で発表した。 もう一台の現有の実験装置を改造し、下方から円形噴流が鉛直上方に噴出し、プッシュプル噴流とこの上昇円形噴流とが衝突し、合流する場合の複雑な乱流を実験的に考察した。主流方向(X方向)uおよび縦方向成分(Y方向)vの平均速度分布と変動成分のそれぞれの実効値分布をX型熱線プローブで測定した。測定場所をいろいろ変え、各平均速度分布と乱れの実効値分布の下流方向への変化を調べ、上昇円形噴流の強さの影響について考察した。
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