食品の凍結濃縮や汚泥の凍結処理を対象として、種々の不純物の固体分散質が微細になりコロイドとしての特徴が生じる場合について、凝固にともなう固体分散質の捕捉・掃き出し現象を取り扱った。主な内容は、(A)捕捉・掃き出し現象の解明、(B)高周波電界を付加による制御法、の二つに大きく分けられる。それぞれについて得られた成果を以下に示す。 (A)粒子表面に陽イオンを吸着する特性を有するベントナイト粒子を用い、塩化カルシウムおよび塩化ナトリウム水溶液中における粒子の凝集・沈降挙動および凝固にともなう捕捉・掃き出し挙動を検討した。Na型ベントナイトとCa型ベントナイトに分けられることを示し、陽イオンとしてCaが吸着しているCa型ベントナイトがNa型ベントナイトに比べて凝集力が強いことを示した。また、ベントナイト粒子を含む捕捉・掃き出し実験より、完全捕捉層、部分捕捉層、完全掃き出し層の3つの層に分類できることを示し、2つに臨界凝固速度の電解質濃度に対する変化挙動を明らかにした。 (B)高周波電界の付与によるコロイドの凝集および分散現象の詳細を示し、それらの現象が粒子の表面電位および電気二重層に基づく粒子の電気泳動および誘電泳動により生ずることが明らかにした。また、凝集および分散現象が周波数に大きく依存することを示し、高周波電界の付与によるコロイドサスペンジョンの制御に対する指針を与えた。
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