研究概要 |
今日,地球温暖化の要因である二酸化炭素に対して,様々な分離回収から貯留までの技術(CCS:Carbon Dioxide Capture and Storage)について追究が行われ,経済的・生態学的・技術的な評価,影響予測モデルの構築などが行われている.しかし,これらの実験成果が判明するには壮大な時間を要し,未知定数が多い予測モデルでは解析精度に信頼性を期待することが難しく,低コストで効率的に回収固定そして貯留する新技術の早急な確立が求められている. 本研究は,以上の観点から緊急度が高く経済的かつ確実性とその効果が期待できるポイントに的を絞り,石炭炊火力発電所を対象に,低コスト・高効率でかつ低環境負荷の二酸化炭素回収固定体の形成と海洋での魚礁としての藻場造成の技術開発を目指すものである. 研究2年間(平成19・20年度)を通して以下の(1)〜(6)の成果が得られ,その内平成20年度は(5)(6)の成果を得た。 (1)石炭火力発電所を中心に二酸化炭素の分離回収・貯留技術の現状と課題。 (2)二酸化炭素ガスを含む排ガスからのガス分離回収装置の設計製作。 (3)ガス分離回収のモデル化と理論解析により排ガスおよび装置形状に対する操作条件の最適化。 (4)ゼオライト微粒子による分離回収液の固定化技術(エコブロック体形成) (5)エコ・ブロック体の海水中での安定・安全性と海藻の着生と生長. (6)形成したブロック体の海藻の成長および魚礁としての有効性の海中フィールド実証実験。
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