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2007 年度 実績報告書

不凍化蛋白質による微小領域内の氷成長阻害に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19560206
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

萩原 良道  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (50144332)

キーワード不凍化蛋白質 / 氷結晶 / 近赤外光 / 蛍光分子 / 温度・濃度計測 / 分子動力学解析 / 変異蛋白質 / HPLC6
研究概要

冬ガレイから抽出される不凍化蛋白質タイプI(HPLC6)に注目し、微小領域内の水溶液の凝固への不凍化蛋白質の影響に関連して、温度濃度計測と分子動力学解析を行った。
計測に関しては、HPLC6の特定のアミノ基に蛍光分子を標識し、その希薄水溶液を2枚のカバーズラスの隙間(約20μm、従来比60%減)に入れ、一方向に氷結晶が成長するように冷却した。顕微鏡に接続したCCDカメラにより、蛍光と氷-水溶液界面の画像を取り込んだ。連続画像を処理して、界面位置と蛍光強度分布の移動速度を求めた。また、設備備品として購入した近赤外分光光度計を用いて、局所の温度を測定した。その結果、(1)±0.2℃の誤差で、約0.001mm^2の極小領域内のタンパク質水溶液あるいは氷の温度が計測できること、(2)蛋白質の高濃度域が氷表面に沿って移動すること、などが明らかになった。
他方、分子動力学解析に関しては、HPLC6の一部である12個のアミノ酸残基からなるポリペプチドモデルを作成した。また氷との水素結合に関与しているとされる特定のアミノ酸残基を別の残基に置き換えた変異蛋白質のモデルも2種類作成した。これらを含む水、あるいは氷-水混合系に関する分子動力学シミュレーションを行った。得られる統計量を比較し、モデルの側鎖サイトがその周辺の水分子へ及ぼす影響について検証した。計算結果より、変異タンパク質モデルを用いた解析により、他者によって実験的に得られた変異タンパク質の不凍活性と首尾一貫する結果を得た。さらに、相変化を予測できるPhase Field法を組み込む数値計算法を開発した。その過程で、水溶液の温度分布を予測する数値シミュレーションの境界条件を検討した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Interaction between a Twelve-residue Segment of Antifreeze Protein Type I, or Its Mutants, and Water Molecules2008

    • 著者名/発表者名
      T. Nobekawa, H. Taniguchi and Y. Hagiwara
    • 雑誌名

      Molecular Simulation Vol.34(校正済み)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Interaction among the Twelve-residue Segment of Antifreeze Protein Type I, or Its Mutants, Water and a Hexagonal Ice Crystal2008

    • 著者名/発表者名
      T. Nobekawa and Y. Hagiwara
    • 雑誌名

      Molecular Simulation Vol.34(校正済み)

    • 査読あり
  • [学会発表] タンパク質モデルと水分子の相互作用に関する分子動力学解析2007

    • 著者名/発表者名
      丸山 善也, 谷口 比呂美, 萩原 良道
    • 学会等名
      第21回分子シミュレーション討論会
    • 発表場所
      金沢歌劇座(金沢市)
    • 年月日
      2007-11-27
  • [備考]

    • URL

      http://www.tplab.mech.kit.ac.jp

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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