研究概要 |
炭酸ガスレーザを放射加熱源とし,ヘプタン,デカン,およびドデカン液滴の放射加熱蒸発および爆発を実験的に調べた.初期加熱期間後の液滴直径半減時間を液滴の放射加熱蒸発の速さを示す尺度として用いた.放射出力密度の高い条件では,初期液滴直径の大きな液滴に爆発現象が観察された.爆発限界は,沸点の高い燃料ほど,放射出力密度と初期液滴直径の大きい領域に存在した.初期液滴直径で無次元化した爆発液滴直径は,放射出力密度の増大に伴って増大し,1に近づくことがわかった.初期液滴直径が0.6mm以上の場合,初期液滴直径で正規化された爆発誘導時間は,放射出力密度の逆数に比例し,同一放射出力密度においてその値は沸点の高い燃料の方が値が大きい.初期加熱時間は,液滴直径の増大に伴って単調に増大する。放射出力密度が小さい条件では,液滴直径半減時間は,初期液滴直径が小さい範囲では減少し,極小値を示した後に増大する.放射出力密度が大きい条件では,液滴直径半減時間は単調に増大する.液滴直径半減時間が極小値を示す初期液滴直径は,放射出力密度が低い条件ほど大きい.放射出力密度の大きい条件では,液滴直径半減時間は放射出力密度の逆数にほぼ比例する.また,燃料種による値の違いはあまり見られない.ホモジナイザーによる放射出力密度の均一化は期待した効果が得られなかった.レーザー出力の有効利用については,別の手段を講じる必要がある.
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