研究課題
本研究は、超音波ソノケミストリーの化学反応促進効果を利用し、低密度エネルギーの投入、なおかつ、コンパクトな合成システムにより、引火性能および粘性特性などに優れた新しいエステル燃料合成法の提案を研究目標とするものである。研究では、超音波洗浄機を反応器とした上、まず、超音波Cavitation効果および反応器で超音波に照射された液体の温度上昇を調査し、最適は合成条件を見出した。続いて、従来法と超音波ソノケミストリー法を用いてBDFの合成を行うとともに、超音波合成過程を可視化し、反応様子を明らかにしたほか、超音波照射によるBDF合成量産化の可能性を検討した。さらに、TLC法によるBDF生成の判別やGC装置を導入しBDF成分の検出を試みた。物性値の測定では、合成されたBDFの燃焼に関する物性値、たとえば、粘度、比重、流動点、表面張力などを計測したほか、メチルエステル成分を含むBDFの発熱量理論値を予測した。噴霧特性の調査では、BDFの粒径分布計算を行った。また、超音波合成法を様々な植物性油へ適用し、多種類のBDF合成に成功した。さらに、合成されたBDFを小型ディーゼルエンジンの燃料とし、エンジンの動力特性および排気特性、また、噴射タイミングの変化による排気特性の変化を調査した。一連の実験の結果、従来法に比べで、超音波BDF合成法では、合成時間が短縮され、合成効率が向上されたことから、本研究で提案した超音波ソノケミストリーを用いる新しいBDF合成法の妥当性を検証した。
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Proceedings of 24th International Japan-Korea Seminar on Ceramics Vol.1
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Proceedings of 5th International Energy Conversion Engineering Conference Vol.1
ページ: No.2007-4806
Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing Vol.1
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http://www.sist.ac.jp/me/zhu/