研究概要 |
平成19年度の研究実績は以下の通りである. 1.熱物性データベースの構築に必要な状態式等の情報収集と精度の検証 本研究課題で対象とするHFC系および自然系の作動流体に関する実測値や状態式,相関式の情報を収集し,気液平衡,液相,気相および輸送性質等に分類した.各物質について実測値の分布図を作成し,式の精度を検証する.実測値のみが公表され,式系が整備されていないものについては,適宜相関式等を作成した,状態式の精度が検証できたものはコード開発を行い,プロトタイプをPROPATHプロジェクトのメンバーや従来のPROPATHユーザーに配布してテストを実施している.平成20年3月末において,以下の物質に対するプログラムが完成している.HFC冷媒:R23,R32,R125,R134a,R143a,R152a炭化水素系物質:メタン,エタン,プロパン,ノルマルブタン,イソブタン,エチレン自然冷媒:アンモニア,二酸化炭素,水 その他:アルゴン,窒素,メタノール,エタノール 2.計算機環境の整備 データベース開発に必要な計算機類およびソフトウエアを導入し,開発環境を整備した. 3,成果の公表 平成19年度の研究を行ううえで得られた二酸化炭素+プロパン混合物の気液平衡計算をPPEPPD2007(ギリシャ)で発表した.詳細をFluid Phase Equilibria(FPE)に投稿し,受理された,また,混合物の臨界点計算に関する知見を,平成19年度日本冷凍空調学会年次大会(平成19年10月,東京農工大学)で発表するとともに,詳細をFPEに投稿し,受理された.FPEの2編の論文はいずれも2008年3月までに刊行された.さらに,本研究の総括を2008年9月にデンマークで行われる8th IIF/IIR Gustav Lorentzen Conference on Natural Working Fluidsにて発表する.この国際学会での発表申請は受理済みである. 4.海外研究機関における熱物性データベースの整備状況調査 平成19年9月にフランスで行われたThermodynamics2007に参加し,海外,特に米国とドイツにおいて熱物性データベースの整備に関わっている研究者とディスカッションし,情報収集を行った.
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