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2008 年度 実績報告書

受動・準能動の双方に適応可能なダンパを備えた制振システムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 19560224
研究機関秋田大学

研究代表者

砂子田 勝昭  秋田大学, 工学資源学部, 教授 (50375218)

研究分担者 平元 和彦  秋田大学, 工学資源学部, 准教授 (00261652)
松岡 太一  秋田大学, 工学資源学部, 助教 (80360189)
キーワードダンピング / 振動制御 / 振動抑制装置 / セミアクティブ制御
研究概要

平成19年度に行った実大三層構造物の地震波振動実験結果から, 構造物の物理パラメータを同定した後, 解析を行い, 実験結果と比較した. 物理的定数はダンパが設置されていない場合のホワイトノイズ入力時における振動モードから同定した. またダンパの性能は, 平成19年度に行ったダンパ単体の性能試験より得られたデータに基づき解析を行った.
準能動制御手法として, 時間遅れを考慮した場合の建築構造物の準能動制御系を設計し, その性能を理論的に解析した. 地震等の外乱に対する各層の変位や加速度等から構成される制御出力を, そのL2ノルムの意味で最小化するような装置の二値減衰切替え手法をLMI(線形行列不等式)に基づく解析によって求め, 制御手法の振動抑制性能をシミュレーションによって検証した, これらの解析結果を実験結果と比較した結果, 20〜30%程度に振動が低減し, 解析の有効性が確かめられたとともに, 実用化された場合の振動低減効果が検証された. また, 増速ギアを用いることで回転慣性質量の数倍から数十倍の大きな慣性力を発生させることができ, その有効範囲は実用に耐え得るものと判断できた.
次に, 現実の高層RC構造による建築構造物の解析を, 本件で提案したダンパを設置した場合の振動解析を行った. これにより, 実構造物へ対する本ダンパの有効性を実証した.
これらの結果を踏まえて, これまで3t用であった設計を, 実用段階の100tおよび50tに適応可能な大型ダンパの設計を行った. これは, 各部材, 部品の限界耐力を計算した上で, 各部品メーカーとの打ち合わせを重ね, 試作の見通しが立った. これは実用化にとって大変重要な一歩である.
本件によって, 受動・準能動の双方に適応可能な制振装置を開発, 新たな制振システムを考案し, それらを実大構造物を用いた振動実験によって検証し, 実際の実用設計を行ったことは大変重要である.
最後に, これらの成果を日本機械学会, 日本建築学会およびアメリカ機械学会, アメリカ土木学会で発表した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Seismic Performance of Vibration Control Device that Generates Power2009

    • 著者名/発表者名
      Matsuoka, T., Sunakoda, K., Hiramoto, K., ほか5名
    • 雑誌名

      ASME PVP2009 (掲載確定)(CD-ROM)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Semi-active control of civil structures with a one-step-ahead prediction of the seismic response2009

    • 著者名/発表者名
      Hiramoto, K., Matsuoka, T., Sunakoda, K., ほか2名
    • 雑誌名

      ASME PVP2009 (掲載確定)(CD-ROM)

    • 査読あり
  • [学会発表] 回転慣性質量を持つ電磁抵抗可変型ダンパーによる応答制御(1〜4)2008

    • 著者名/発表者名
      松岡太一, 砂子田勝昭, ほか7名
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演発表会
    • 発表場所
      広島県,広島大学
    • 年月日
      2008-09-20
  • [学会発表] Vibration Tests of a Three Story Benchmark Structure with Vibration Control Devices that Generate Power2008

    • 著者名/発表者名
      Matsuoka, T., Sunakoda, K., Hiramoto, K., ほか1名
    • 学会等名
      アメリカ土木学会Structure Congress 2008
    • 発表場所
      カナダ,バンクーバー
    • 年月日
      2008-04-26

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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