研究概要 |
アクティブ音響シールディング(Active Acoustic Shielding:AAS)とは,マイクロホンとスピーカが一体化したユニットを境界面に沿って格子状に並べ,入射してくる音波の波面に対して同振幅・逆位相の波面を生成し,入射音を消音する技術であり,風は通すが音は遮断する「アクティブ遮音通風窓」や,遮音性能を高めた「アクティブ遮音シート」などの開発に供せられる. 本研究では,対象周波数とユニット間隔,対応可能な音波面の入射角,透過側からの反射の影響などの原理的課題及び,コントローラやハウリングキャンセラーなどのシステム上の課題を,シミュレーションと実験により検討し,AASの成立性とその基本的な手法を明確にすることを目的とする. 初年度での研究が予想以上に進み,シミュレーションとモデル試験によって,AASの基本コンセプトの成立性が明らかになった.そこで本年度は,参照マイクロホンと2次音源のコロケーション条件をより成立しやすくするため,信号処理速度の高速化を狙った.具体的にはFPGAを搭載した独自のANCコントローラを開発しに着手し,ハードウエアを完成した.アクティブ遮音窓の試作試験は次年度に実施予定である.
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