研究概要 |
本課題では,構造可変型多肢ロボットアームの製作を行い,その制御法として並列的逆動力学計算法を適用する.そして,従来の制御法では実現が困難であった,構造変化後に即ダイナミクスを考慮したフィードフォワード制御を実施するという,宇宙用多肢ロボットアームの実現性を高める研究を平成19〜20年度の2年間に渡って行う. その1年目として平成19年度は,並列的逆動力学計算法を適用した制御ソフトの汎用化を図り,統一的な制御システムの開発を実施した.ソフトウェアについては順次ウェブ上に公開し,一般にダウンロード可能とする予定である.さらに,宇宙空間でアクチュエータに故障が発生した場合にもフェールセーフ機能として効果を発揮するように,並列的逆動力学計算法の劣駆動リンク系への適用を試みた.劣駆動リンク系は,直接制御できない関節が存在するため非ホロノミックなシステムとなり,制御が難しくなることが知られている.ところが,適用の結果,システムの自由度に対してアクチュエータの数が少ないシステムで,アクチュエータにより直接制御できない関節が存在するリンク系の場合にも,精度の高いトルク値を算出可能であることが判明した.次年度は実験も行う予定である.これと平行し,ユニットの着脱により様々な形態に変化する構造可変型ロボットアームのプロトタイプ,および多関節劣駆動リンク機構を製作した.実験に用いる制御用ユーザインターフェースは,次年度も引き続き開発を行う.
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