研究概要 |
本研究の目的は水平分散アーキテクチャの応用であり,具体的には瓦礫上歩行する脚型ロボットによる足探り動作の実現とロボットの身体性を空中飛翔体へ拡張することをを目標として設定している.本研究で目指すシステム実現は,次の2つの要素を備えている必要がある.(1)地上ロボット:水平分散アーキテクチャ(FDNet)により足探りにより瓦礫踏破する多脚歩行ロボットシステム.(2)空中飛翔体:FDNetと接続可能な小型ヘリコプターシステム。この2つのシステムは,それぞれ独立した自律システムとして機能するが,必要に応じて地上ロボットである多脚歩行ロボットの身体の一部として空中飛翔体のセンサ情報を共用することによる身体性の拡張機能を備える.第2年度である平成21年度は,地上ロボットに能動触角による瓦礫探りと瓦礫踏破機能を与えること,および,空中飛翔体には高度の制御による位置制御機能の組み込みに成功した.また,それぞれのシステムに遠隔操作を可能とする通信機能の組み込みを行うことができた.これにより,地上ロボットに組み込まれた水平分散アーキテクチャFDNetに対して,空中飛翔体からの出力情報の画像を含むセンサ情報および入力信号である位置制御のための目標値および制御パラメータを通信する基盤が整ったと言える.本研究の最終年度は,複数のFDNetを組み込んだロボットシステムを接続統合し瓦礫上踏破ロボットの身体性の拡張を示すことにより本研究を完成させる計画であるが,これらに必要な,地上ロボットおよび空中飛翔体システムを完成させたことにより,ハードウェアシステムが完成されたと総括することができる.
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